クリエイターはなぜ Premiere Proを選ぶのか?

今回は、これから動画制作を始めようと考えている方へ向けて、「なぜPremiere Proが多くのクリエイターから選ばれているのか?」というテーマで、Premiere Pro導入のメリット・デメリットなどを解説していきます!

目次

Adobe Premiere Proとは

まずは、そもそもPremiere Proとはなんなのか。簡単に説明します

Premiere Proとは動画編集を行うためのアプリケーションで、現在は月額または年額のサブスクリプションプランのみで使用することができます

映像制作の用語で言うと、「オフライン編集用のノンリニア編集アプリ」ということになりますが、簡単に言うとテープなどを使う旧来の編集システムではなくPC上でデータを使って編集する現在スタンダードなオフライン編集アプリというわけです

“簡単に”と言いながら、ちょっと聞き慣れない「オフライン編集」という単語が残りましたが、これはCGや高度な合成作業、グラフィックやテロップへのアニメーションなど、高度に専門的な制作技術を使わないベーシックな編集という感じで捉えておいてください(後からまた出てきますので)

映像編集の現場では、まずPremiere Proなどでオフライン編集を済ませてから合成・カラー調整などを行うオンライン編集へ移るというワークフローが採られます

オフライン編集アプリ(=動画編集アプリ)には、Adobe Premiere Proの他にも、Final Cut Pro(Apple)、Edius(Grass Valley)、DaVinch Resolve(Blackmagic Design)などがありますが、現在ではPremiere ProがシェアNo.1となっていて、プロ・アマ問わず世界中のクリエイターに利用されています

僕が映像の仕事を始めるようになった2000年代後半はまだ、映像編集といえば「MacでFinal Cut」というのが定番でPremiere Proユーザーは全然少数派でした(しみじみ)

Adobe Premiere Proの特徴

Premiere Proインターフェース

では、ここからはなぜPremiere Proがクリエイターに支持されるようになったのかという点ですが、結論から言うと「他のAdobeアプリと組み合わせての使い勝手が良い」ということじゃないかなと思います

Premiere Pro単体の性能が高いというわけではなく、Adobeのクリエイティブアプリをフル活用することで「ワンマン体制でも十分なクオリティを実現できる」という点が一番のポイントですね!

例えば、他の編集アプリを使用する場合でもPhotoshopやAfter Effectsを使って、画像補正やテロップ作成、アニメーション作成をすることがあると思います

その際には、Photoshopであれば一度JPGやPNGデータとして書き出してから編集アプリで読み込み、After EffectsであればProRes422などの動画データとして書き出してから読み込みという作業を行います。修正が出た場合はまたPhotoshopやAfter Effectsに戻って作業して再度書き出し、読み込み… という作業になりますが、Premiere Proなら同じAdobeのアプリなので途中で書き出すことなくネイティブデータのまま連携させることができ、さらに元データを修正することでPremiere Pro上に配置したデータも自動で調整されるため編集作業を格段に効率化できるんです!

さらに、Premiere Proにはカナリのレベルのカラーコレクション・カラーグレーディングを行える「Lumetriカラー」というカラー調整エフェクトが使えたり、AdobeアプリのAuditionを使っての音声編集やMedia Encoderを使っての強力なエンコードなど、映像編集に必要十分な機能が一通り揃っていると言うのが大きいですね!(Auditionはあまり使いませんけどね!)

通常の制作フロー図
Adobe制作フロー図

Premiere Proというよりも「Adobeアプリの強み」という感じですが、このようなある程度全部カバーできているというのがPremiere Pro(Adobe Creative Cloud)が選ばれている理由だと思います

Premiere Proの残念な点

Premiere Pro編集画面イメージ

トータルで見ると作業効率の良いPremiere Proですが、当然デメリットもたくさんあります(ホントにたくさんあります…)

料金が高い

2023年2月現在、Premiere Pro単体での利用料金は月々プラン税込3,828円/月、年間プラン税込28,776円/年。買い切りのFinal Cut Proが税込48,800円。DaVinci Resolveは無料版でもほとんどの機能が利用できる点などを考えるとカナリ高額です

しかも、前述の通りPremiere ProはAdobeの他アプリと連携させてこそ強みを発揮できるので、Premiere Proを使うのであれば全てのアプリを利用できるコンプリートプランは必須となります

Creative Cloudコンプリートプランの料金はというと、月々プラン税込10,280円/月、年間プラン税込72,336円/年。個人で利用する場合など年間7万円以上といのはカナリキツイですよね

バージョンアップによる不具合が多い

Adobe Creative Cloudは、毎年バージョンアップが行われています。その際に新しい機能が使えるようになるのはクラウド型ならではのメリットなのですが、新機能と同じくらいバグ・不具合も追加され、いままでできていた作業が突然できなくなるということも珍しくありません

僕のように仕事での使用を考えている方はホントに要注意です。僕の場合は、リリースしたての最新バージョンは使わずある程度のバグ・不具合が解消されているであろう一つ前のバージョンを使用するようにしています。2023年現在はver.2023が最新のためver.2022を使用、という感じですね

突然機能やアプリが使用できなくなる

「不具合が多い」というのとはちょっと違うのですが、Adobeは古いバージョンのアプリや古いアプリそのものを突然使用できなくするというのを結構やってきます

少し前だと、DVDオーサリングアプリのAncoreが突然新規ダウンロードできなくなったり、Adobeフォントで使えていたフォントがいきなり使えなくなったり…

個人で趣味の範囲内で利用する分にはさほど影響ないかもしれませんが、業務での使用を考えている場合は結構なリスクだと思います。過去に作った作品のテロップフォント全部変えなきゃならないとかマジやばいですよホント(白目)

機能が多すぎる

機能が多いこと自体は悪いことではないのですが、全く使わない機能やそもそも役割のカブっている機能などムダなものも多いため、操作方法やインターフェースが複雑になってしまっています

Premiere ProやAfter Effectsは、他のアプリを買収しその機能を吸収して成長していっているので、突然全然違うインターフェースの機能やエフェクトが追加されるといったことも多々あります。元の使い勝手を優先させているのでしょうが、こういった機能追加が使い方をややこしくさせているという面も大きいと思います

この点は、未経験者の方が一番引いてしまう部分だと思うのですが、最初に触れた時のとっかかりの悪さは他のアプリを見習ってもらいたいと感じる部分です

購入するタイミング

先ほどデメリットの項で「金額が高い」と書きましたが、Adobe Creative Cloudは年に何回かセール価格での販売も実施されているのでできるだけ費用を抑えたい!という方は、amazon Primeセールなどお買い得なチャンスを待つことをオススメします!

また、Adobe CCの契約期間中にライセンスを追加購入し延長登録することもできるので、2年目以降は契約が切れる前にお得なタイミングで買っておくといいですね!

僕は、毎回税込42,000円〜45,000円くらいのタイミングで次のライセンス購入しています

まとめ

こうやって挙げてみると、やっぱり不便な点多いな〜と感じますが、現状は他のアプリよりも「ベター」であることは間違いないので、これから本格的に映像制作に取り組みたい!という個人や企業に最もオススメできる製品だと思います

シェアが大きいので、ネット上に情報が多いというのもメリットですよね! Premiere Proのようにバージョンアップの頻度が多い(年1回)アプリは書籍での情報はすぐに古くなってしまうので、ネット上の情報量が多いのはやっぱり便利だと思います

以上、Premiere Pro導入を検討されている方の参考になれば幸いです!

では、みなさん、よきクリエイティブライフを!

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